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NAKEDは無音で一時間身一つで踊るインプロビゼーション・ソロ ダンス パフォーマンスで、ダンサーは今回が3回目になる栃本あずさです。
舞台セットは、数カ所天井にセットした照明と、結界のようにシンプルに四方に糸に照明を吊るしただけです。この何もない空白の空間の中からダンサーの栃本あずさがダンスを生み出します。振り付けられた踊りには自由度が限られていますが、空白で無音の空間であらかじめ振付を持たないダンサーにはありあまるほどの自由があります。しかしこの頼るもののない空間はダンサーの力量にすべてが委ねられており、ダンサーの能力一つに作品の成否がかかっています。 この空間に入ったダンサーはおそらく途方にくれる体験を経験します。何しろ感情を揺さぶってくれる音楽もなければ、空間を動かしてくれる舞台セットもないからです。 しかし途方にくれたダンサーの内部には結晶化したダンスの原石があり、それを一時間の間に全力で舞台上に現出するのがNAKEDなのです。 あらかじめ記憶にとどめた振付をいかにうまく踊るかということはここでは意味がありません。振付家とダンサーという分業化されたシステムでは生まれることのないダンスの始まりという原石を、リアルタイムで生成してくことがこのNAKEDの狙いです。ここで観客の皆さまは生まれたてのダンスが見ることができます。 この企画は連続したプロジェクトにすることによって、ダンスとダンサー、そしてみてくださるお客様の双方の成長を意図しておりました。しかし昨今のコロナウイルスの流行によってそれはかないませんでした。 私たちはどうしたらこの企画を発表できるのか悩んだ末にこの作品をインターネットで多くの方々にお見せすることにいたしました。 そしてこれはayami yasuyhoのアートで生きる覚悟を皆様にお見せする企画でもあります。ダンスパフォーマンスという人と人が言葉に頼らず感じてもらうアートを私たちが皆さまにお伝えする挑戦でもあります。 10月12日に京都鞍馬口すぐのSocial Kitchenを借りて舞台をつくり、18時40分からダンスパフォーマンスを収録しました。 ぜひこの作品に触れてください。そしてなにかを感じてくださるととても嬉しく思います。 |